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行動科学マネジメント

短期間で組織が変わる行動科学マネジメント ダイヤモンド社
石田淳 行動科学マネジメント研究所 所長

を読んだ.

「8割のできない人ができる人に返信する.」という文句の通り,組織運営に関する内容.
ただし,セルフマネジメントへの応用もできるという文句もあり,実際に応用可能であろうと感じた.

結果は行動が引き起こす.
上司が制御できるのは行動のみなので,結果に結びつく行動を増やすことが,目的の達成に通じる.
その際,注目するのは「行動」のみなので,行動する人の人格,経験,能力等にはよらない.
結果がでないのは,「結果を出す行動がわからない」か「行動が続けられない」のどちらかである.

という前提のもと,行動と結果の関係についていくつかの観点によって述べられている.

行動を促すのは「リインフォースメント」である.リインフォースメントにはポジティブとネガティブ,つまり褒美と罰がありうる,というリインフォースメントの重要性と分類の話.
チェックリストに含まれるようなものが具体的な行動にあたり,「やる気を出せ」のような具体性のないものは行動とは呼ばない.

前提条件 ー> 行動 ー> 結果,結果が次の行動の前提条件となる,というサイクルを確認している.
これは,ほとんどPDCAサイクルと等しい.
結果に対しての適切な評価とリインフォースメントによって,前提条件がつくられ,次の行動に影響する.
この評価とリインフォースメントが上司にできることで,これが適切であれば次の行動につながる.

リインフォースメントの分類としてより詳細に,ポジティブorネガティブ,即座にorあとで,確実にor不確実の3軸で分類し,ポジティブ・即座に・確実にリインフォースメントすることがもっとも効果がある.


最後に実践にむけて,ピンポイント,メジャーメント,フィードバック,リインフォースメント,評価の5ステップが重要である.
ピンポイントとは,結果に直接的に結びつく行動を見つけ出すことである.
無関係,単なる一要因である行動を強化しても結果には結びつかず,それぞれの行動と結果の関連性を正確に見極めることが重要である.
メジャーメントは,行動および結果を定量化,数字化することである.
フィードバックは,ピンポイントな行動をメジャーメントした結果を行動者にわかるよう視覚化することである.達成度の確認が即座にできないといけない.
リインフォースメントは,ポジティブ・即座に・確実に.ただし,万人に共通のリインフォースメントはないため,個々に合わせた,選べる褒美が必要である.
評価は,リインフォースメントを実行することである.この項目は短すぎて具体性がなくよくわからなかった.

その後,取り組みの具体例を上げている.

以上がこの本の内容である.
マネジメント系の本ははじめて読んだが,一つ一つは直感的,経験的にもわかっている話であった.
それをまとめて要点を絞った感じ.

セルフマネジメントにも応用できそうな点は多くあったが,そのときの問題は,
・自分にとってのリインフォースメントが何であるか
・行動できていないときにはリインフォースメントしない,ということ自体が罰になりうる
という点をどうやって折り合いをつけるか,であろう.

まずは,自分で自分を管理する,という決意から始めて,その具体的な手法としてこの内容を参考にしよう.
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