タンパク質は体をつくる分子であり,酵素など重要なはたらきを担う三大栄養素の一つである.
タンパク質はアミノ酸が並んだものが複雑な立体構造をもっており,アミノ酸や構造によって様々な種類がある.
アミノ酸の並びを決定しているのがDNAであるが,これに関してはまた別に書くとする.
実際にDNAの情報を元に必要なアミノ酸の並びをつくる,つまり翻訳している細胞内の構造がリボソーム(Ribosome)である.
リボソームは非常に重要な役割を担っているため,現在確認されるすべての生物が持っている.
そのため,生物種間でDNAを比較する際にしばしば用いられる.
その詳細について調べたので,メモ程度に書き記す.
間違いや最新情報があったら教えてください.
リボソームは大小2つのサブユニットからなり,それぞれのサブユニットはさらにRNAとタンパク質でできている.
このときのRNAをrRNA(ribosomal RNA)とリボソームタンパク質と呼ぶ.
実はリボソームは真正細菌・古細菌と真核生物とで構造が異なっている.
真正細菌・古細菌は70Sリボソームを持ち,30Sと50Sのサブユニットをもっている.
大腸菌のリボソームの場合,
30Sサブユニットは16SrRNAと21種類のリボソームタンパク質(S1~S21)を持ち,
50Sサブユニットは23SrRNAと34種類のリボソームタンパク質(L1~L33)を持つ.
ここで30S+50Sが70Sとなっているのは,このSがスベドべリ(Svedberg)と呼ばれる遠心力をかけた時の沈降速度の単位であるためである.
沈降速度はその分子の重さや形によって変化するので,2つの分子が足し合わさっても単純な足し算にはならないようである.
真核生物では80Sリボソームを持ち,40Sと60Sのサブユニットからなる.
40Sは18SrRNAと32種のリボソームタンパク質を持ち,
60Sは28S,5.8S,5SのrRNAと46種のリボソームタンパク質を持つ.
rRNAをコードするDNA領域をrDNA(ribosomal DNA)と呼ぶ.
このrDNAはどの生物でも似た順番で持っている.
真核生物の場合は
NTS | ETS |18S | ITS1 | 5.8S | ITS2 | 28S | NTS | ETS |18S | ITS1 | 5.8S | ITS2 | 28S |
の順で並んでいる.
NTSは nontranscribed spacer, ETSは external transcribed spacer, ITSは internal transcribed spacersである.
5Sは別の場所にあるらしい.
ウィキペディアにわかりやすい図が載っている.ざっと調べたことは以上.
...
では,最初のリボソームを持たない状態ではどうやってリボソームタンパク質を翻訳するのだろう.
それとも,母親由来か何かで元々持っているのだろうか.
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