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Zns

Zns
多型サイト間でのアリルの独立性の二乗相関.集団内の連鎖の強さの指標一つ.
集団遺伝学で中立性検定なんかに用いられる.
変異が中立で,完全に連鎖していることを仮定して,中立から外れると大きくなる.
John K. Kelly 1997
A Test of Neutrality Based on Interlocus Associations


遺伝子座 i と j の変異アリルの頻度pi,pj ,両方とも変異アリルの頻度をpijとしたとき,iとjの連鎖不平衡( linkage disequilibrium ) Dijは

Dij=pij-pipj
(Dijは0から1)

標準化すると,
    Dij2
δij=---------------------
   pi(1-pi)pj(1-pj)


ちなみに,どのアリルを「変異アリル」として計算しても,δijは同じ値になります.

多型サイト数Sの全てに対して,
    2       S-1   S
Zns = ----------  Σ      Σ δij
   S(S-1)   i=1   j=i+1



数式がうまく打てなかった.

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モデルの一般的原則

モデルを建てるときの一般的原則.

1:モデルはできるだけシンプルにしろ.

2:過程は明確にしろ.

3:解析的に解けるならその方が良い.しかし,相当シンプルじゃないと不可能なので,数値解析が必要だろう.

4:単純な方がいいが,リーズナブルなレベルのリアリズムを維持することも重要.

5:可能な限り,モデルを追加的に,説明できるモジュールの連続として,それぞれデバッグして書け.

進化モデルの分類

進化モデルの5次元の分類分け.

・集団サイズが有限 vs 無限
・環境のタイプ:一定,一定長,時間的に確率論的,時間的に決定論的,空間的に確率論的,空間的に決定論的
・密度依存 vs 密度非依存
・内在的な集団動態:平衡,周期的,カオス
・頻度依存 vs 頻度非依存

集団間の遺伝的分化の指標

今日はFst, Gst, Rst, Φst, Nst, G'st, Dの紹介.

集団間の遺伝的分化を表す有名な指標としてFstがある.
Fst=1-Hs/Ht
で表され,1に近いほど集団間の分化が見られ,0に近いほど集団の構成が似ていることを表す.
また,小集団と外部集団間では,
Fst=1/(4Nem+1)
で表される.(Ne; 有効集団サイズ, m; 世代あたり移入率)

Gst(Nei 1973)
F統計量をより多くの対立遺伝子を含む遺伝子座のデータも扱えるように拡張した遺伝子分化係数.
現在ではFstとほぼ同義の値.

Rst
対立遺伝子同士が独立ではなく連続性があるような場合(ステップワイズ突然変異モデル)の指標.
対立遺伝子の連続性とは,マイクロサテライトマーカーのような,1回の突然変異で反復数3から4になるが,反復数3から5になるには2回の突然変異が必要なケースである.

Φst(Excoffier et al., 1992)
AMOVAで用いられる.遺伝的多様性の大きさを集団内と集団間に階層的に分割する.

Nst
対立遺伝子間の遺伝的・系統的差異を評価する.

集団内の殆どの個体がヘテロ接合している場合,GstFstは集団間の遺伝的分化にかかわらず大きくなり得ない.
それを考慮したのが
Hedrick (2005)の
G'st=Gst(1+Hs)/(1-Hs)

Jost (2008)の
D=[(Ht-Hs)/(1-Hs)][n/(n-1)]
である.

参考
シリーズ現代の生態学
エコゲノミクス-遺伝子からみた適応-

プロモーター領域からの選択検出

Nature geneticsの2007年の論文
Promoter regions of many neural- and nutrition-related genes have experienced positive selection during
human evolution
Ralph Haygood, Olivier Fedrigo, Brian Hanson, Ken-Daigoro Yokoyama & Gregory A Wray

をざっと読んだ.
ヒトが進化する過程で神経や栄養吸収に関連する遺伝子のプロモーター領域から正の選択を検出したという内容.

標的遺伝子のプロモーター領域とイントロンとで進化速度を比較.
イントロンは中立なので,プロモーター領域も中立なら進化速度は同じ,プロモーター領域で進化速度が速ければ,正の選択がかかっていると判断する.
そのためにはコード領域の自然選択でも使われる最尤率テスト?likelihood rate testで差があるか検定している.

プロモーター領域で正の選択が検出された遺伝子の機能をまとめた結果,神経や栄養吸収に関連するものが多く含まれていた.


テクニカルには特にすごいことはない.すごい閃きかというと,別にそんなに.
転写調節に関連しそうな領域への選択をはじめて検出したのは間違いなく重要.
でも正直,それだけでNature geneticsか〜という印象.
2007年に見たら違ったのかな.

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